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開発コンセプトを知ってラケットの能力を100%解放!

祝!ダンロップ最強パワーラケットFX発売

ダンロップの最新ラケットFXが8月4日に発売されました。ダンロップラケットの中で最強パワー。 バボラでいうピュアドライブに位置するラケットです。 その発売を記念して、FXシリーズに込められている開発者の想い=テクノロジーを紹介したいと思います。 使い手がFXのそれを知って、ラケットのもっている能力を100%引き出してあげましょう!

コンセプトは「強烈なパワーを自在にコントロール」

パワーラケットは基本、厚ラケとなります。ラケットを水平にした時のフレームの厚みが最大で25㎜前後あり、グリップ上のスロート部分が 太くてしっかりしている構造です。パワーがあるとは反発力があるということ。ゆっくりなスイングでもボールが遠くまで飛んでいき、 ラケットがしっかり振れない苦しい体制でもボールがちゃんと返るというメリットがあります。日本人プロの杉田選手やダニエル選手は 厚ラケを使用していますが、体格のいい外国人選手にパワー負けしないためだと推測されます。
良い事だらけに見える厚ラケですが(薄ラケと比べて)劣っている点もあります。それはフィーリング。反発力が良すぎるため勝手にボールが飛んでいってしまう、 面のどこで打ったか感じ取りにくいという感覚です。そこで、FXでは厚ラケの短所を補い、 長所は更に強化するという方向性でテクノロジーが搭載されています。FX開発者のメッセージを感じますね。

長所を伸ばす

グロメット下溝構造 ダンロップ公式HPより

パワー系ラケットの良さは「反発力」。FXでは「グロメット下溝構造」というテクノロジーでそれを強化しています。 簡単に説明すると、フレームの溝の中央に更に小溝を設けた構造です。溝が深くなるため、フレームとストリングの「たわみ」が増えます。 その結果、トランポリン効果が大きくなって反発力が更に向上するという仕組みです。この機能がフレーム全体に施されているため、 スイートエリアが向上するというメリットを生んでいるんですね。ラケットの真ん中でボールを打てなくてもパワーあるボールを返すことができます。

短所を補う

フレックスタッチレジン ダンロップ公式HPより

次は厚ラケの短所であるフィーリング。これを改善するため今回搭載されたのが、フレックスタッチレジン。 前回の速報コラムで紹介しました。カーボン同士をくっつける機能しかなかったレジン=接着剤に高い伸縮性をもたせ、 柔らかい打感=フィーリングの良さを実現したテクノロジーです。
厚ラケというのは基本的にあまり「しなり」がありません。「しなる」というのは、ボールが当たってラケットのフレームがしなやかに曲がるイメージです。 それが無いのは良い事のように感じるのですが、衝撃の逃げ場が無いと言い換えることができます。 逃げ場の無い衝撃は最終的にグリップに到達し手に響く…よって、厚ラケは様々な工夫をして衝撃を抑えています。 今回のフレックスタッチレジンがそれだということは理解できますね。既成概念を打ち破り接着剤に機能を持たせるという新しい発想を生み出す。 常に最高を届けようとする開発者・メーカーの想いに感動します。

ラケットの個性を知り、二人三脚でテニスを楽しむ

いかがでしたか。まだ他にも細かい機能がありますが、それはぜひダンロップの公式ホームページやカタログを見てください。 相棒(ラケット)の個性と自分のそれがマッチしたら…すごいテニスが出来るかもしれません。ラケットスポーツは人間とラケットの二人三脚。 今一度、相棒と対話の機会を設けてみてください。きっと新しい発見があると思います。

他メーカーのパワーラケット

各社、必ずパワー系ラケットを用意しています。お気に入りメーカーがあるならそちらも要チェック。