Racket Off net

開発コンセプトを知ってラケットの能力を100%解放!

最高のカーボンを求めて

開発者が込めた想い=コンセプトを知って、ラケットの能力を100%解放しようというこの企画。 記念すべき第一弾はPrinceのテキストリームシリーズ。最新モデルには振動吸収性の高い素材・トワロンも搭載されていますね。
その想いはズバリ「素材改革」ウッドからカーボンへの大改革がおこりましたが、その後、ラケットには大きな変革は起きていません。 では、ラケットはもう進化しないのか?そんなことはありません。各社色々企業努力を重ね最高の一本を世に送り出してくれています。 プリンスが取り組むのは素材革命。最高品質のカーボン「テキストリーム」を取り入れることで、
・ラケットを硬くせずにパワーを維持
・硬くせずに安定性と振動吸収性を向上
この2つを実現しているのです。
プリンスが着目する「カーボン」。ラケットがカーボンで出来ていることは誰もが知っていると思いますが、 じゃあ、どうやって作られているか?まで知っている人は少ないのではないでしょうか。今回はその辺りを詳しく説明していきます。

ラケット断面図 プリンス公式HPより

プリンスが着目したのは接着剤(エポキシ)

まずカーボンは繊維、つまり糸です。 その糸を束ねて太くして、横に並べてカーボンシートをつくります。 丸太をイメージしてください。丸太がカーボンの束、その丸太を並べてイカダ(シート)をつくるイメージです。 そして、そのイカダを何層にも重ねて上画像のような厚みを出していきます。 当然、丸太同士・イカダ同士をくっつけるため、大量の樹脂(エポキシ)を使用するのですが、 プリンスが注目したのはこの部分です!
接着剤はラケットの機能には全く貢献していません。振動吸収性もなく打感に影響もあたえる、そして何より重くなるだけです。 ラケットの重さの大部分を接着剤が占めてしまうんです!←ここがポイント この接着剤を少なくすることが出来たら、同じサイズのイカダでもたくさんの丸太(カーボン)を使用できる。 (接着剤が少ない分、丸太を増やしても重くならない) このためにプリンスが取り組んだことは2つ。
①接着剤が少なくすむカーボンを探すこと
②接着剤を使わないでカーボンシート(イカダ)を重ねる方法を探すこと
そして辿り着いたのが究極カーボン「テキストリーム」だったのです。

限られた企業にしか使用を許されない究極カーボン「テキストリーム」

テキストリームはスウェーデンの一社のみが開発・製造できる希少カーボンです。 F1のボディに使われるほどの素材。その理由は「接着剤が少なくて済む」こと。コンマ1秒を争う世界では、 数グラムの差が勝敗をわけることもありますからね。 このカーボンは輸送などにも特別な管理が必要とされるため、認められた企業しか扱うことができません。 プリンスはテニス業界で唯一認められた企業なのです!
プリンスの努力は止まりません。②を達成するため、カーボンシート同士を「編みこむ」ことを考案したのです。 また、編みこんだことでさらなる効果が生まれました。それが振動吸収性アップだったのです。
こうしてできたプリンスのテキストリームシリーズは接着剤が少なく済むため、 より多くのカーボンを使用できるのです!※下の画像参照
例えば同じ300gのラケットを作る場合でも、接着剤が少ない分より多くのカーボンを使用することができます。 よって、フィーリングも良くなり剛性も高くなる。わざわざ重く・硬くしなくてもパワーがでるラケットを作れるのです。 それを証拠に、ファントムシリーズのフレーム厚はなんと16.5mm!! 私も打ったことがありますが、こんな細いフレームでも打ち負けることなくパワーあるショットが打てるんです! ツアー選手が使っているくらいのシリーズですからね。 折れちゃいそうに思うかもしれませんが、カーボンの量が他よりも多いからこそ成せる厚みなのかもしれません。

テキストリームのメリット プリンス公式HPより

カーボンの濃厚感。それが「掴んで飛ばす」を実現した!

私もビーストシリーズを打ったことがあります。 個人的には打感が「気持ちいい」と感じ。 なんというか、マイルドにボールに吸い付くような感覚…でも、ボールがしっかり飛んでいく。 何より「最高級カーボンをつかっている」という安心感がプレーを楽しくしてくれます。
カーボン純度の高さ…他より果汁濃度の高いジュースを飲んでいるような感覚なのでしょうか。 ぜひ皆さんもこの「カーボンの濃厚感」をテキストリームで味わってみてください。