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開発コンセプトを知ってラケット能力を100%解放

パワーorスピン…どちらを求める?

一般的にどのメーカーもラケットを大きく3タイプに分類しています。 パワー系、スピン系、コントロール系…バボラ社だとピュアドライブ、ピュアアエロ、ピュアストライクがそれにあたります。
コントロールラケットはフレームの薄いものが多いので一目瞭然なのですが、パワー系とスピン系は外観では判別しにくく、 ラケット選びで迷う人が多いかもしれません。
今回のコラムではピュアドライブとピュアアエロを例にして、パワーラケットとスピンラケットの違いについて 解説していきます。 ぜひ、開発コンセプトを知ってそれぞれの違いを理解してから手に取ってみてください。

ポイントはグロメット

HEADのスピンラケット「エクストリーム」のコラムでも解説しましたが、 もう一度おさらいしておきましょう。↓
ボールに回転を与えるのはフレームではなくストリング。 縦糸がズレて戻る「スナップバック」という現象によってよりスピンがかかるメカニズムが解明されました。 従って、各社スピンラケットには「縦糸が大きく動く工夫」がされています。 更に、スピンをかける場合ラケットを下から上方向に振るので、どうしてもボールの(前方向の)推進力が低下します。 それを補うため、「シャフト部分を太くしてラケットにパワー」を持たせています。
この、「縦糸の動き」と「シャフトのパワー」がスピンラケットには必須の要素なのです。

ピュアアエロテクノロジー

ピュアアエロはスロート部分は「アエロモジュラー3」というフレームで太くガッチリしていますが、 空気抵抗を減らすため三角形の形をしているのが特徴です。そして、 フレーム上下のグロメットホールに注目すると縦糸6本分の穴が楕円形になっていて、 左右にスライド(スナップバック)し易くなっているのです。
いかがでしょうか?
スピンラケットはストリングが動き易いように工夫されている と理解しておいてください。

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勝手にスピン!という訳ではない

ここで重要なのは、「スピンラケットを使えば勝手にスピンがかかる」という訳ではないことです。 先ほど述べたように、回転には「ラケット軌道×ストリングのスナップバック」という関係が成立します。 よって、使い手も回転を意識したスイングとストリングを動かすだけのスイングスピードが必要となってきます。 そして、その時によりボールに回転をかけてくれる(よりかかりやすい構造になっている)のがスピンラケットというのが正解でしょう。

パワーラケットの特徴

テニスにおけるパワーとは「飛ぶ」こと。よって、スイングスピードが遅くても、コンパクトなスイングでもボールが遠くに飛ぶように設計されています。
ピュアドライブはその代表例で、簡単に飛ぶことから初心者向けと思われることも多いですが、最新モデルはグロメットに改良を加えフルスイングしても 回転でコートに収まりやすいようになっています。そう考えると、パワーラケットとスピンラケットの境界線は薄くなってきているとも言えるかもしれません。

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選び方のポイント

それではまとめに入ります。 迷ったらパワー系(ピュアドライブ)、ブンブン振っていきたいならスピン系(ピュアアエロ) と覚えて選んでみてはどうでしょうか。
結局のところスピンラケットもパワーがあります。パワーがないと前に飛ばない空回りしたようなスピンボールになってしまいますからね。 よって、スピンラケットを選んでもパワー不足ということはありません。
ただ、先ほど述べたようにスピンを発揮するにはストリングをしっかり動かす 軌道とスイングスピードが必要なので、それらがないとスピンラケットの良さを感じられずもの足りなく思うかもしれません。
将来的にラケットをもっとしっかり振ってコートに深くボールを突き刺したい! と考えている方はスピンラケットから入ってちょうどいいでしょう。逆に、カウンターを狙ったり、コンパクトなテニスをしたいという方には パワーラケットで十分と言えると思います。

各社パワーラケット

各社スピンラケット